大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)2837 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人秋山秀男の上告趣意第一および第二について。

所論は、被告人に対する勾留が違法、不当であることを前提として、原判決の違

憲(憲法三一条、三四条違反)をいう。しかし、所論勾留状の被疑事実(窃盗)と

所論起訴状の公訴事実(賍物故買)との間には、公訴事実の同一性ありと解するの

が相当である。したがつて、右勾留状による勾留は右公訴の提起によつて適法に継

続するものである(刑訴六〇条二項)。また、所論のように、第一審判決言渡まで

一六六日間勾留が継続したとしても、本件事案の内容にかんがみ、必ずしも不当に

長い勾留とは認められない。それ故、本件勾留が違法、不当であることを前提とす

る所論はすべて理由はなく、採用できない。

同第三について。

所論は、単なる訴訟法違反の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

((一)所論起訴状の記載が違法でないことの原審の説示は正当である。(二)第

一審判決の認定している犯罪事実とその挙示している証拠の標目との関係について

の原審の説示もまた正当である。)

同第四について。

所論は、量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また、記録を調べても、所論の点につき同四一一条を適用すべきものとは認めら

れない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和三八年七月二五日

- 1 -

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 朔 郎

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 長 部 謹 吾

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!